ボブ・ディラン自伝



ボブ・ディラン自伝
ボブ・ディラン自伝

商品カテゴリ:アート,建築,デザイン
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買いです。

時系列ではないのですが、それがかえってそれぞれの章を印象深くしているように思えます。今までディランはポール・ウィリアムスにしろマイケル・グレイにしろ是非を含めて書かれっ放しだったので、あまり真摯ではないことの多いインタヴュー以外でのディラン自身の言葉という意味で、どこをとっても興味深く読めました。特に僕はディランの生き方云々というより、彼の音楽や、彼の音楽に垣間見られるアメリカ音楽の方により強い興味を覚えますので、ディランが少年時代に親しんできた音楽に言及している部分などはメモを取りながら読んだほどです。そういう意味では日本ではブートでしか聞けませんが、ディランが昨年からDJを務めている「テーマ・タイム・ラジオ・アワー」というアメリカのラジオ番組が各回ひとつのテーマに沿ってディラン自身の選曲と語りで構成されており、これもまたファン必聴といったところです。
ボブディランを理解するために

人間ボブ・ディランを理解できる書。言い回しなど独特というか翻訳物の仕方なさなのか、癖のある文章がつづく。一番興味深かったのは「OH MERCY」のレコーディングの章である。天才といわれている人物がどのように作品を作っていくのか、その過程を垣間見ることができます。その完成品である「OH MERCY」は今聞いても素晴らしい出来栄えです。
彼の人生の部分部分で構成されているが、早く第二段、第三段を読みたい。
訳はわるくないよ。

気になるところといえば、一人称が「わたし」なところぐらい。
詩のような言葉に、率直な内容。人生について考えさせられます。

「伝説」とされたこの人が、死んだり気がおかしくなったりすることなく生き残っていて、いつも客観性をもって自分や環境を見ているところは驚かされる。(情けない自分でいることの大切さのほうをいつも選んだ)
そして当たり前かもしれないけど本当に音楽を愛している人だとあらためて思った。ほかの人たちを褒めているところがたくさんあって、それも愛すべき感じ。
ボブ・ディランの自伝は、なぜ「クロニクル」なのか?

ボブ・ディランという人物が、現存する最高の「詞人」のひとりであることに異論はない。人類史上、稀に見る言葉の達人である。この、紛れもなき天才が自らの自伝に「クロニクル」などという、アホなタイトルを付けた事実は驚愕に値する。「Tangled up in blue」でも「Desolation row」でも・・・最悪、「俺の犬だけは自由だぜ!」でも良かったはずなのだが・・・。なぜ、「クロニクル」なのか?この問いがこの「自伝」の全てである。

この自伝の作者は、「ロバート・ジンマーマン」であり、「ボブ・ディラン」ではない。「ロバート・ジンマーマン」という「俗人」にとって、「ボブ・ディラン」は永遠に「他者」なのだ。「ボブ・ディラン」というアーティストの「時系列」は周知の事実であり、今更、「クロニクル」を必要としない。

他方、「ディラン」を「演ずる」ロバート・ジンマーマンの「時系列」は混乱を極め、ブラック・ホールの彼方で発狂の危機にあるらしい。ジンマーマンの「アイデンティティ・クライシス」は救済されなければならない。

ボブ・ディランの「ファン」は星の数ほどあれ、ロバート・ジンマーマンを「見た」者はいない。この「物語」は、「ボブ・ディラン」を演じ続ける「ロバート・ジンマーマン」の意識の時系列である。

繰り返すが、なぜ、「クロニクル」なのか?この問いがこの「自伝」の全てである。
失った自分の音楽を取り戻そうと格闘するボブ・ディランの姿が面白い

 自伝というと、通常は、家族構成に続いて、生い立ち、少年期、青年期、……と時系列を追って記述が進むものだが、本書はそういった既存の自伝の展開とは異なっている。大きく分けると、レコードデビューまでの時期、そして、デビュー後、「フォークソングの神様」「時代の代弁者」と呼ばれることにうんざりして自分の世界に引きこもっていた時期、その後もう一度、音楽の世界に戻っていく時期の3つの時期が、ボブ・ディランの人生からつまみ上げるような感じで描かれている。
 一番華やかだと思われる、レコードデビュー後、スター階段を駆け上がっていく時期についての記述がまったくないのは不思議な気がする。しかし、前後の章を読んでみると、たぶん、間違いなく、その時期の原稿もすでに書かれているように思える。ボブ・ディランにとって、その時期があまり重要でないと感じられたのか、あるいはあえて振り返りたくなかったからその時期の記述を外したのかはわからない。
 私自身、一番面白く読めたのは、世間から隠棲した後、自分の音楽を見失ってしまったボブ・ディランが、レコーディングディレクターに迎えたダニエル・ラノワと一緒にレコードを完成していく部分だ。ラノワはミュージシャンとしては素晴らしい編集技術を持っているようだが、シンプルな歌の力を信じているボブ・ディランとは曲作りのイメージが微妙にすれ違ってしまうようだ。ディランが、ラノワや彼が連れてきたミュージシャンと衝突して落ち込んだり、逆に彼らと一緒にセッションを繰り返す中で自分が忘れていた音楽を思い出し、自分が表現したい音楽とは何だったかを自己確認していく過程が面白い。
 なお、最後の章に登場する、ボブ・ディランが影響を受けたというウディ・ガスリーの自伝『ギターをとって弦をはれ』(晶文社)も読むと面白いと思う。同書は現在絶版だが、アメリカのフォークソングの本流がわかってきて、「ああ、ボブ・ディランの歌は、こういうアメリカ音楽の流れのなかにあるのか」と楽しくなってくる。すごく面白い本なので、出版社にはぜひ復刊して欲しいと思う。



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